我が家のインターネット回線はnuro光 for マンションです。この回線はベストエフォートで下り最大2Gbpsを謳っており、実際、帯域にはまったく不満がありません。
しかし半年前くらいからスマホやPCの無線接続が時折切れてしまう現象が起こり、最近はほぼ毎日スマホがいつの間にか4G回線に切り替わっていて、このままだとスマホ用に5GB/月のプランに加入している私はwi-fiに繋がっていないことに気づかずにYouTubeを見続けてパケ死(死語)してしまうので、対策してみました。
この記事は備忘録的に残したものなので、目新しい情報はありません。下記記事が解決にとても役立ちました。ありがとうございました。
- 【NURO光の設定】二重ルーター問題を解決💚ONU(F660A)のDMZ設定で自前ルーター(Archer AX73)を「ルーターモード」で使う! | Cafe Fuew|ふうカフェ
- EdgeRouter X を NURO 光で使う ― その1: 初期設定 | Minami Ueda
- 家庭内 Wi-Fi 最適化術 | yabe.jp
同時接続台数にまつわるネット上の情報
同様の問題はF660Aを利用している日本中の家庭で起きており、トラブルシューティングしたブログやTwitterの投稿が沢山あります。 どの記事も「F660Aの同時接続台数」が原因ではないかと言及している点は一致しているのですが、細かい表現には差異がありました。
- F660Aの同時接続台数上限が10台(→だからルーターを別に用意しよう)
- F660Aの無線LAN接続での台数上限が10台(→だからできるだけ有線LANに繋ごう)
- F660Aの1つのSSIDあたりの台数上限が10台(→だからSSIDを増やそう)
ルーターを買うとそれなりにお金がかかるので、できれば2 or 3で解決しないかなと思って実際試してみたのですが、SSIDを増やしても有線LAN接続に切り替えても、不安定なまま改善されませんでした。どうやら、F660AのCPU/メモリ的に捌ける最大台数が10台で、それを超えると無線が不安定になり始めるようです。
※ただし、我が家では有線接続したデバイスは一貫して通信が安定していました。となると「有線接続のデバイスのみで10台超接続するとどうなるのか?」が気になります。誰か実験してほしいです
解決方針
そもそもF660Aに様々な役割を担わせすぎているので、これをできるだけ他所にオフロードする方針にします。
- 光信号⇔デジタル信号の変換(本来のONUの役割。これに専念させたい)
- ルーター機能
- 無線アクセスポイント機能
- DHCP機能
- DNSクライアント機能
- セキュリティ機能(ファイアウォール、フィルタリング)
まずはルーター機能を外出ししたいのですが、なんとF660Aはルーター機能のみ無効化することができません。
NURO 光でレンタルされるONUには、ルーター機能のオン・オフを切り替えるための電源はありません。ONUの電源を入れると同時に、自動でルーターも機能する仕組みになっています。 このようにルーター機能のみをオフにすることはできないので、NURO 光では自前ルーターを使うということはできません。 www.nuro.jp
何も考えずに新しいルーターを導入すると二重NAT(二重ルーター)状態になってしまうので、今回はDMZ機能を活用した構成にすることにしました。
必要なもの
同時接続可能な台数が十分なルーター(兼無線AP)だけです。慣れ親しんだASUSのルーターを買いました。同時接続台数は64台なので十分です。
ネットワーク構成(To-Be)
やったこと
- 新ルーターのWAN側IPアドレスを固定する
- DHCP機能の停止とDNS設定 [F660A]
- DMZの設定 [F660A]
- IPv6の設定 [新ルーター]
- 無線AP機能の停止 [F660A]
- 5GHzでDFS利用の回避 [新ルーター]
新ルーターのWAN側IPアドレスを固定する
192.168.1.1/24 のセグメントにおける新ルーターのIPアドレスを固定します。F660Aには新ルーターの他には何も接続しないので、2~254まで何でも良いです。今回は「192.168.1.200」にしました。また、NUROのDNSサーバーをあまり信頼していないので、WAN側DNSサーバーをCloudflare Public DNSにする設定も合わせて行っています。
F660Aの管理画面で
新ルーターの管理画面で
- WAN > インターネット接続
- WAN接続タイプを
静的IPアドレス
- WAN IP設定
- IPアドレスを
192.168.1.200
- サブネットマスクを
255.255.255.0
- デフォルトゲートウェイを
192.168.1.1
- IPアドレスを
- WAN側DNS設定
- DNSサーバーを
Cloudflare
- DNSサーバーを
- 「適用」をクリック
- WAN接続タイプを
DHCP機能の停止とDNS設定 [F660A]
DHCPはすべて新ルーターで行うので、F660AのDHCP機能を停止します。合わせて、Cloudflare Public DNSを利用するように設定を変更します。
F660Aの管理画面で
DMZの設定 [F660A]
インターネットからF660への通信を全ポートそのまま新ルーターに横流しして、実質的なルーティングを新ルーターにやってもらいます。
F660Aの管理画面で
IPv6の設定 [新ルーター]
新ルーターの管理画面で
- 接続タイプは
パススルー
- 「DNSサーバーに自動接続する」は
無効
- IPv6 DNSサーバー1にCloudflareのプライマリーDNSサーバーのアドレス
- IPv6 DNSサーバー2にCloudflareのセカンダリーDNSサーバーのアドレス
無線AP機能の停止 [F660A]
F660Aの管理画面で
これでF660Aは無線APとしての仕事からも解放されました。
5GHz帯でDFSの回避 [ルーター]
これはやってもやらなくてもOKです。5GHzの周波数帯では「DFS」による通信断の可能性があります。
Wi-Fiの5GHz帯で利用する特定のチャネルは、気象レーダーなども利用しており、それらレーダー波を検知した場合には、他のチャネルへ変更する機能が「DFS」このとなり、本機能の搭載は法的に義務付けられた機能となります。DFSは、通信前にレーダーがいないかの確認し、また、通信中にレーダーが到来した場合、直ちにそのチャネルの使用を中止し、別のチャネルへの変更を行います。プロセス中は1~10分程要し、チャンネル変更時にコネクションの切断が発生します。使用状況によっては、DFSによるチャンネルに伴う切断を回避する必要があるため、下記ではDFSの設定をオフにする手順を解説しています。 www.asus.com
DFSを回避し利用チャネルをW52に絞ることによるデメリットは、160MHzをフルに使った最大2402Mbpsの通信速度が得られなくなる点です。ただし我が家の場合はそもそも1Gbps程度で十分すぎる帯域なので、DFSの設定をOFFにします。
新ルーターの管理画面で
- ワイヤレス > 全般 > バンド
5GHz
- チャンネル帯域「160MHzを有効化」をOFF
- チャンネル「DFSを含むチャンネルの自動選択」をOFF
- 「適用」をクリック
結果
快適そのものです。スマホがいつの間にか4Gに繋がってることも無くなりました。
まとめ
- NURO光でレンタルされるONU「F660A」は同時接続台数が10台を超えると無線通信が不安定になる
- F660AのDMZ機能を活用して、別のルーター兼APに処理をオフロードすると、二重ルーターを回避しつつ通信を安定化できる
NUROに言いたい
- 今後スマート家電が増えていくのだから、同時接続台数がわずか10台のONUを配布しないで
- 百歩譲って配布するにしても、契約時にONU機種を選択できるようにして
- ONUのルーター機能を無効化できるようにして
ONUガチャ次第で32台まで安定かも
2022年1月よりF660Aの後継機種であるF660Pの提供が始まっています。同時接続台数は32台でWi-fi 6にも対応しているので、ガチャ次第ではこの記事の対策一切不要で安定した環境が手に入るかもしれません。グッドラック。