受験者について
- SIerでSEを5年→製薬会社でIT企画を1年
- 担当業務は社内ITシステムの企画・PM業務・運用保守
- 基本情報、応用情報、セキュリティスペシャリスト、DBスペシャリスト持ち
- これまでの仕事で医療系システム開発に携わったことはない
近々、病院のデータ分析をテーマとした共同研究にシステム屋として関わることになったものの、医療系システムは門外漢の自分には分からないことだらけでどうやって勉強したもんかと悩んでいました。ネット上で情報収集していたところ、医療機関のシステム開発案件の入札要件に「PJチームに医療情報技師が○名いること」という記載が多いことに気づいて医療情報技師の存在を知り、ざっくり医療系システムの全体像を知ることを狙って受験することにしました。
倒すべき敵を知る
試験は科目合格制を採用しており、3科目全ての試験で合格点に達する必要があります。
**** | 情報処理技術系 | 医療情報システム系 | 医学・医療系 |
---|---|---|---|
試験時間 | 10:30~11:30(60分) | 13:00~14:30(90分) | 15:30~16:30(60分) |
出題形式 | マークシート5択 | マークシート5択 | マークシート5択 |
出題数 | 50 | 60 | 50 |
合格点 | 毎年変動 | 毎年変動 | 毎年変動 |
医療情報技師の試験は税理士試験のような科目合格制を採用しています。一度合格した科目は2年間、つまり次回、次々回までは受験が免除されます。 また合格点が曲者で、おそらく毎年の合格率を30%程度に維持するために、合格点は毎年変わります。
情報処理技術系
基本情報技術者試験をやや易しくしたレベルです。 過去問を見ればわかる通り、基本情報持っていれば無勉強でも楽勝です。
医療情報システム系
おそらく、院内SEや医療情報システムベンダーSEとして実務経験をお持ちの方は、楽勝なのだと思います。 勉強にあたってもっとも苦労したのがこの分野でした。
医学・医療系
看護師、臨床検査技師など、医療従事者にとっては楽勝なのだと思います。 毎年必ず最後の数問が統計系の設問なので、統計基礎をさらっておくと得点源になります。
医療情報技師 - Twitter Search ←Twitterで医療情報技師で検索すると、IT系の人は医学・医療系に苦しんでいるし、反対に医療従事者は情報処理技術系に苦しんでいるのがよく分かります。個人的には、この資格は院内SEが取得することを想定して設計されているように感じました。院内SEは、医療従事者・外部ベンダー・医療機関経営層の三方と適切にコミュニケーションしつつ、医療業界特有の各種法規制や業界指針に沿った医療情報システムを企画・開発・運用することを求められることから、上記3科目を広く浅く知っていることを要求する試験になっている気がします。
特に医療情報システム系を勉強してて感じたのは、現代の医療現場は専門家集団の高度な連携によって成り立っており、またそれぞれの職責・権限は各種法規制によって厳密に定義されているということです。「診断」ができるのは医師だけ、「調剤」ができるのは薬剤師だけ…とか。"越権"行為や医療事故、倫理的に不適切な事案を防止するために、医療情報システムの側でできることは多々あるなと感じました。
おすすめ参考書
次の4冊を買うのが鉄板です。
- 過去問(最重要)
- 医療情報 第6版 情報処理技術編
- 医療情報 第6版 医学・医療編
- 医療情報 第6版 医療情報システム編
- 作者: 一般社団法人日本医療情報学会医療情報技師育成部会
- 出版社/メーカー: 南江堂
- 発売日: 2019/03/28
- メディア: 単行本
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- 作者: 日本医療情報学会医療情報技師育成部会
- 出版社/メーカー: 篠原出版新社
- 発売日: 2019/05/31
- メディア: 単行本
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- 作者: 日本医療情報学会医療情報技師育成部会
- 出版社/メーカー: 篠原出版新社
- 発売日: 2019/05/31
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- 作者: 日本医療情報学会医療情報技師育成部会
- 出版社/メーカー: 篠原出版新社
- 発売日: 2016/04/11
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医療情報の基礎知識とか、サブノートは不要です。
スマホアプリ
IPAの試験のように過去問演習ができるアプリがあれば良かったんですが、残念ながら医療情報技師試験向けの良いアプリは見つかりませんでした…。(あるにはあったんですが、品質が怪しそうだったので購入せず)
勉強法
とにかく過去問演習です。
過去問解く→答え合わせ→確信を持って正答だった設問以外は、3冊の参考書の記述を読んだり、ネット上で検索したりして「なぜその選択肢が正答になるのか」「なぜ他の選択肢は誤答といえるのか」を明らかにしておきます。
私はこんな風にノートにざっとまとめてました。
本番直前に目を通すいい教材にもなりました。
合格率は例年3割なのでそこまで高難度の試験ではないのですが、ちゃんと勉強しようとすると範囲が異常に広いので辛い試験です。
「合格最低点でも、満点でも、合格は合格」なので、捨てる分野は捨ててしまっていいと思います。
私は暗記が苦手なので、医学・医療系の腫瘍マーカー、病床利用率の計算、看護分類あたりは捨てました。
総学習時間
22.5時間。ざっくりと内訳↓
- 過去問 {2.5h(解答)+2h(採点と復習)}×5年分 = 22.5h
結果
**** | 情報処理技術 | 医学医療 | 医療情報システム |
---|---|---|---|
合格点 | 60/100 | 58/100 | 74/120 |
得点 | 92 | 82 | 86 |
自分を褒めたいので🍣食いに行きます